40~50代は「投資を必要」と考える人が増える年代であり、その理由の 1つは、結婚・出産・住宅取得などのライフイベントをひと通り終え、老後について考える余裕が生まれる時期であるためで、不透明な老後について真面目に考えれば考えるほど、不安は募るものである。
生命保険文化センターが実施した「2022年度生活保障に関する調査」によると、老後の生活に不安を感じる割合が最も高いのは 40代と 50代でそれぞれ 91.4%、88.2%に上っており(他の世代は 20代69.0%、30代84.6%、60代81.7%、70代 74.6%)、不安だからこそ投資の必要性を感じるのかもしれない。
備える投資で大切なのは「目標額の設定」
老後資金のように将来に備える投資で大切なのは「目標額の設定」である。
欲をかいて「儲けられるだけ儲けたい」と投資のリスクをむやみに高めていくと、その分、大損をしてしまう危険性も増す。40~50代ともなれば、大損からリカバリーするための時間的な余裕も20代ほど潤沢にあるわけではない。
そもそも「老後に必要な資産」とは、老後の生活で生じる赤字分をカバーするために用意しておく「取り崩しの原資」を意味する。
そうした観点から、「老後の年数」を30年(65~95歳)、「1年間の不足金額」を65万円(総務省「家計調査(家計収支編)」による実績値)として求められたのが、2019年頃に話題になった「公的年金だけでは老後資金が2,000万円足りない問題(老後2,000万円問題)」である。
なお、「老後2,000万円問題」は当時の実績値を使った一試算例に過ぎず、実績値は毎年変化する。「2,000万円」という金額には振り回されず、「老後に必要な資産」の算出方法の方を参考にする方がよいだろう。
