Z世代にとってサステナビリティは本当に「意識高い系」なのか

サステナビリティについて語るとき、「意識高い系」や「表面的」といった表現を耳にすることがある。

本来は「意識が高い」という評価はポジティブなはずだが、実際には「意識高い系」という揶揄としてネガティブに転じてしまう。

特にZ世代に代表される若年層を語る際によく使われる表現だが、果たしてZ世代自身がサステナビリティやSDGsをそのように捉えているのだろうか。

結論から言えば、Z世代は、むしろ他世代以上に学び、その重要性を理解しており、Z世代の「意識高い系=サステナビリティと距離を置く姿勢」という短絡的な解釈は本質を見誤る恐れがある。

その一方で、Z世代ならではの持続可能性に対する意識や行動に向けた制約も明らかになっており、その行動促進に向けた政策・施策には慎重なアプローチが求められる。

本稿では、この背景を文化的・社会的な観点から探りつつ、サステナビリティ政策・施策を浸透・機能させるためには、性差や世代差を踏まえたアプローチが欠かせないことを示す。

そのうえで、特にZ世代をサステナブルな行動へと動かすための実践的アプローチについて考えてみたい。