オーストラリアは、長く堅調な経済成長を遂げてきたことから、「幸運な国」と言われてきました。しかし、その幸運の風向きが変わりつつあります。かつて「奇跡の経済」とまで言われたオーストラリア経済は、今、岐路に立たされているのです。

「外食は週に1回だけ」家計が直面する厳しい経済状況

一見すると、オーストラリア経済は依然として好調に見えるかもしれません。

しかし、その実態は異なります。

国の経済成長は確かに続いていますが、国民一人当たりの経済状況は後退しているのです。

これはつまり、国全体としては不況ではないものの、多くの国民は日々の生活の中で不況を感じている、という矛盾した状況を意味します。

ある人は「外食は週に1回だけと決めた」、「出費には気を配り、全て予算を立てている」と語るように、家計は厳しい局面に立たされています。

では、なぜ「幸運な国」オーストラリアはこのような状況に陥ってしまったのでしょうか?

そして、その幸運は尽きてしまったのでしょうか?