(ブルームバーグ):米アルファベット傘下グーグルのクラウド部門責任者は、同部門の既存契約のうち未履行の受注残が最大1060億ドル(約15兆6000億円)に上ると明らかにした。
グーグル・クラウドのトーマス・クリアン最高経営責任者(CEO)は9日、その少なくとも55%に当たる580億ドルがサービス提供に伴い、向こう2年間で売り上げに計上されるとの見通しを示した。その上で、同部門の売上高も伸びているが、履行を果たしていく受注残もそれを上回るペースで増えていると述べた。

アルファベットは人工知能(AI)処理需要の高まりに対応するため、データセンターの処理能力強化を急ぐIT大手の一社。
クリアン氏はサンフランシスコで開かれたゴールドマン・サックス・グループ主催の技術関連会議で、急拡大するクラウドコンピューティング・AI市場におけるグーグル・クラウドの戦略に関して発言。AIインフラや生成AIモデル、データ処理における同部門の優位性を支えているのは自社開発チップやソフトウエアの専門知識だと語った。
世界のクラウドサービス市場シェアで、グーグル・クラウドはアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、マイクロソフトのAzureに次ぐ3位だが、検索市場が成熟する中でアルファベットの成長を牽引(けんいん)する重要部門とみなされている。同部門はグーグルのAI分野への巨額投資の恩恵を受けており、AIの専門知識を武器に新興AI企業を中心に顧客を獲得している。
アルファベットの7月の決算報告によると、クラウド部門の4-6月(第2四半期)売上高は前年同期比32%増の136億ドルだった。アルファベットのスンダー・ピチャイCEOは同報告で、クラウド部門の年換算売上高(ランレート)が500億ドルを超えたと述べた。
原題:Google Cloud Forecasts $58 Billion Revenue Boost by 2027(抜粋)
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