「改正マンション関連法」成立 柱の1つは集会決議の円滑化

改正法の柱の1つが、「集会決議の円滑化」です。
現在、マンションの「建替え」や「修繕」などの障壁となっているのが、集会決議のハードルの高さです。現行法では、「修繕」などの決議は「全区分所有者の多数決による」と定めていますが、決議に参加しない区分所有者は、「反対票」を投じたと見なされ、所在不明の区分所有者も「反対票」に含まれてしまっていました。
そこで、改正法では、すべての決議で、裁判所が認定した場合、所在不明の区分所有者を決議の母数から除外できる制度を導入することになりました。
さらに、「修繕」や「管理規約の変更」などの「区分所有権の処分を伴わない決議」については、「出席者の多数決による」としました。決議に出席しない「無関心の区分所有者」も、分母から除外することができるようになったのです。
入居者5人のマンションで「修繕」決議を行う例で考える
具体例を示します。「修繕」決議は、区分所有者の過半数の賛成を要するので…

Aさん:賛成 Bさん:賛成 Cさん:反対 Dさん:欠席(無関心) Eさん:欠席(所在不明)
という決議が出た場合、現行法では、賛成2票(Aさん、Bさん)、反対3票(Cさん、Dさん、Eさん)となり、「賛成」は過半数を獲得できず、「否決」されることになります。
しかし、改正法では、裁判所が所在不明であるEさんの除外を決定すると、Eさんと、無関心のDさんが母数から除外され、賛成2票(Aさん、Bさん)、反対1票(Cさん)となり、「賛成」が過半数で「可決」されることになるのです。