もう1つの柱 自治体の関与を強化する仕組み
そして、改正法のもう1つの柱が、地方自治体の関与を強化する仕組みの導入です。
老朽化したマンションが放置されると、外壁がはがれ落ちるなど、周囲の人にも危険を及ぼす恐れがあります。滋賀県野洲市では2020年、長年放置された老朽化したマンションを、市が約1億2000万円の費用をかけ、所有者に代わって強制的に取り壊す行政代執行に踏み切りました。

こうしたケースは自治体の負担が伴いますが、その費用をマンションの所有者などから回収できるかは不透明です。
今回の改正で、自治体は、危険な状態にあるマンションに対し、管理状況などの報告を求めることや、建替えや取り壊しなどの助言や指導、勧告が行えるようになります。
自治体が能動的に働きかけられる仕組みをつくることで、行政代執行にまで至るケースを未然に防ぐ狙いがあるのです。
マンション「再生」を進める一手となるか 来年4月1日施行

外壁の剥落や倒壊のほかにも、景観や治安の悪化など様々な問題をはらむ老朽化マンション。
政府は、改正法施行から5年以内に、マンションの「建替え」や「土地の売却」などの件数を、現状の470件ほどから、1000件まで引き上げることを目標に掲げています。
マンション「再生」を進める一手となるか。「改正マンション関連法」は来年4月1日に施行される予定です。
執筆者:TBSテレビ社会部 重松大輝