・ドル円は一時139円台をつけたもののベッセント氏とトランプ氏の発言を受けドル高・円安に転じた
・為替市場では3つの山と2つの谷で形成されるドル円の「ヘッドアンドショルダー」が話題になっている
・完成なら大幅なドル安・円高示唆も参考程度が賢明、今後トランプ氏の強気姿勢の変化に注目
ドル円は一時139円台をつけたもののベッセント氏とトランプ氏の発言を受けドル高・円安に転じた
ドル円は日本時間(以下同じ)4月22日の午後3時前に、一時1ドル=139円89銭付近に達し、2024年9月16日以来のドル安・円高水準をつけました。その後はいったんドルを買い戻す動きが優勢となりましたが、23日の午前3時過ぎに、ベッセント米財務長官が関税を巡る中国との対立は緩和に向かうとの認識を示したことが報じられると、ドル買い・円売りが加速し、ドル円は午前6時頃に141円57銭水準まで戻りました。
さらに、午前6時を過ぎたあたりから、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長について「解任するつもりはない」との発言が伝わると、ドル円は午前7時半頃に143円22銭近くまで、ドル高・円安が進みました。一時139円台をつけたドル円でしたが、ベッセント氏とトランプ氏の発言を受け、米景気悪化やFRBの独立性への懸念が和らぎ、さらなるドル安・円高の進行には至りませんでした。
為替市場では3つの山と2つの谷で形成されるドル円の「ヘッドアンドショルダー」が話題になっている
なお、為替市場ではこのところ、ドル円のチャートに現れた「ヘッドアンドショルダー」が話題になっています。これは、トレンドの転換点を示すチャートパターンで、3つの山と2つの谷で形成されます。2つの谷を結んだ線を「ネックライン」といい、ドル円であれば、ドル高・円安局面で「ヘッドアンドショルダー」が現れ、ドル円レートが明確にネックラインを割り込むと、ドル安・円高局面に転じたと解釈されます。
具体的にチャートをみると、2024年7月につけたドルの高値161円95銭水準を中央の山とし、その左に2023年11月高値の151円91銭水準の山、その右に2025年1月10日高値の158円87銭水準の山が形成されています。ネックラインは、2023年12月につけたドルの安値140円25銭水準と、2024年9月安値の139円58銭水準の2つの谷を結んだ線となります。