完成なら大幅なドル安・円高示唆も参考程度が賢明、今後トランプ氏の強気姿勢の変化に注目

ドル円がこの先、2024年9月安値の139円58銭水準を割り込んでドル安・円高が進めば、ヘッドアンドショルダーは完成します。この場合、ドル安・円高の目途は、2024年7月高値の161円95銭水準と2024年9月安値の139円58銭水準の値幅である約22円37銭を、139円58銭水準から差し引いた117円21銭水準になります。ただ、これはあくまで1つのチャートパターンの解釈であり、参考程度にとどめることが賢明と思われます。

ドル安・円高の材料は、米関税政策の強化、米国売りの加速、円安是正の強めの日米為替合意などであり、ドル高・円安の材料は、これらが逆の動きになることと考えています。トランプ氏は、自らの強気姿勢で国内経済や金融市場に深刻な悪影響が及ぶことは避けたいというのが本音と推測され、時間の経過とともに強気姿勢は緩和方向に修正され、ドル高・円安材料の要素が強まるのではないかとみています。

(※情報提供、記事執筆:三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト 市川雅浩)