夏山で相次ぐ山岳遭難について考えます。
連日の記録的な猛暑は、山の上でも影響が出ていて、3連休に入って天候の急変で低体温症とみられる症状で動けなくなる遭難も相次いでいます。

北アルプス中遠見山(なかとおみやま)に出動した県警の山岳遭難救助隊。
標高はおよそ1900メートルです。
先月28日、神奈川県から訪れていた19歳の男性が、下山中に体調を崩したと同伴者から救助要請が入りました。

隊員が男性と接触し、話を聞くと。
遭難した男性:「普段から下山の時はあまり水を飲んでいなかったので。どこまでくだっても日差しがあって」
水をほとんど飲んでいなかったのです。
救助隊員:「体力不足かなというのと、水分摂ってなかったかな。夏場非常に暑いので、普段より長い行動をとるときは、自分の思っている以上に水分失っているから」
男性は足のしびれを訴えましたが、無事に救助されました。
夏山で相次ぐ山岳遭難。夏山シーズンが始まった先月1日から今月6日までの1か月余りの間に、81件が発生しました。

遭難が過去最多を記録した、去年の同じ時期を2件上回っています。警察は増加の要因について、「暑さ」が影響していると指摘します。

県警山岳遭難救助隊 河西斎哲副隊長:「街の方でも熱中症警戒アラートとか、真夏日・猛暑日とか40度を超えるようなところも出てきているようですけど、やっぱり山の方も非常に暑い。直射日光をもろに浴びて大量に汗をかいたりすると、熱中症に。北アルプスであれば長い行動になるので、体力が続かなくなってしまうという相談が多い」

暑さは熱中症や疲労に直結します。7月に遭難した67人を原因別にみると、「疲労」と「転倒」が最も多く、ともに17人でした。
ただ、「転倒」や「滑落」も疲労が伴って生じるケースも少なくないといいます。