日米合わせて約20万人、県民の4人に1人が死んだ沖縄戦。その悲惨さを今に伝える記録のなかでも、象徴的なものとして知られる映像がある。全身泥まみれになりながら、ガタガタと震える少女の姿だ。この映像に映る「震える少女」、浦崎末子さん(87)は今も健在だ。戦後80年の今年、平和を願う思いを次世代に託したいと、胸の奥にしまっていた当時の記憶を語ってくれた。

沖縄戦当時7歳だった浦崎さんの姿は、米軍が撮影した沖縄戦の記録映像のなかにある。震える少女の視線はうつろで、放心状態に見える。80年前、少女はどんな思いでカメラを見つめていたのか。那覇市の浦崎さん宅を訪ねた。あらためて、当時の映像を見てもらった。

――これは末子さんですか?

▼浦崎末子さん(87)
「水筒の水を飲ませているんだね…私よ。7歳。あの時の怖さ、いまだに思い出す。(アメリカ人を)初めて見るから、怖いよ。青い目は見たことないさ。怖くて大変だった」

末子さんは、銃声が鳴り響き砲弾が飛び交う戦場を逃げ惑い、途中、倒れる人がいる中を必死に逃げた。

7歳の頃の自分が映る映像を確認する浦崎末子さん