「北海道・三陸沖後発地震注意情報」に伴う特別な防災対応の呼びかけがきょう終了しました。一方、対象の地域では、特別な対応をした人の割合が2割にも届かなかったことが専門家の調査で分かりました。

赤間二郎 防災担当大臣
「本日、(午前)0時をもって、特別な注意を呼びかける期間は終了をいたしました」

今月8日、青森県で震度6強を観測する地震が発生し、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が初めて発表されました。

呼びかけられたのは、日頃からの地震への備えに加え、非常時の持ち出し品を常に携帯するなど、1週間の「特別な防災対応」でした。

青森・八戸市の飲食店では、地震の後、5割から6割ほど客足が減ったといいます。

牛タンたなかたん 田中英之オーナー
「県外の方も地元の人もやっぱり、地震の影響でかなり少なくなっています。通常に戻って、賑やかな忘年会シーズンを迎えたいなと思います」

呼びかけの対象地域は、北海道から千葉県にかけて、あわせて182の市町村。人々はどう行動したのでしょうか。

東京大学・関谷直也教授らが今回、調査を行ったところ、対象地域で「注意情報を見聞きした」と回答した人はおよそ75%に上りました。

ところが、そのあとの「特別な防災対応」については、▼「非常持ち出し品を常に持ち歩いた」が9.7%、▼「すぐに逃げられる態勢を維持した」が14.1%と、ほとんど行われていませんでした。

きょう、青森から遠く離れた千葉・銚子市で話を聞くと…

銚子市民
「怖いんで、枕元に靴を置くとか気を付けています」
「へーって感じですよ。あーそうなんだって感じ。深刻じゃなかった」

銚子市も呼びかけの対象地域でしたが、受け止め方はさまざま…

市の担当者は「呼びかけが市民の行動に繋がらないと意味がない」とし、今後は効果的な周知、啓発や訓練などを行っていきたいとしています。

関谷教授は…

東京大学 関谷直也 教授
「『混乱するな』とか、『普段通りの生活をしろ』 というふうなところばかりが今回、強調されてしまった影響かなとも思います」

「普段通りの経済活動」と「大地震への備え」を同時に呼びかけることに、伝える側の難しさがあったと話します。

東京大学 関谷直也 教授
「抑制的になりすぎるよりは、本来の防災対応のための行動をみなさんにとってほしかった。そのきっかけとすべき情報だということを改めて考えてほしい」

政府は引き続き、日頃からの地震への備えを呼びかけています。