10年目を迎える「マンガと戦争展」。戦後80年の今年は「沖縄戦」を展示の柱に据え、県出身の二人のマンガ家をピックアップ。今最も全国的に注目される新鋭、大白小蟹さんの原画と、50年以上にわたって沖縄戦を描き続けている新里堅進さんの生原稿、あわせて73点を公開しました。

新里さんの作品は、戦争体験者の証言や記録、取材に基づいて劇画にしたもので、戦場での住民や兵士の姿が細部にまでこだわって描き込まれています。

▼岐阜県から訪問した子ども
「(新里さんの)『シュガローフのたたかい』を読んだことがあって」「戦争は恐ろしいなって」
▼母親
「絵の構図が素晴らしい、すごく伝わりやすい。兵隊さんの、例えば刀を構えるシーンひとつでも凄く迫力があって」「教科書のように読ませていただいてました」

▼京都精華大学マンガ学部 吉村和真教授
「新里先生を取り上げたのは、日本全国で読まれているものとは違って、沖縄を中心に出回っているローカルマンガという部分があり、(作品の)宛先がちょっと他のものとは違うんですよね。そして史実に基づいて、徹底的に調べられたものを描いてらっしゃると」

企画展初日には、新里さんがトークショーに登壇し、戦争を描くにあたっての信念を語りました。

新里堅進さん

▼マンガ家 新里堅進さん
「日本兵のことを書くときは、自分はもう日本兵になります。それでまあ米軍を描くときは米兵にもなるし、住民にもなる」