「今日を楽しみにしてましたけど、お天気になってよかった」――晴れやかな空の下で微笑んだのは、今年カジマヤーのお祝いを迎えた島袋俊子さん。カジマヤーとは、風で回る、風車のことだ。
数え年97歳のご長寿が風車を手に地域を練り歩き、人々は総出で祝福する、沖縄独特の長寿祝いの風習だ。ご長寿さんは目にも鮮やかな晴れ着に身を包み、これでもかと飾りつけたオープンカーで街をパレードする光景が、沖縄県内各地で見られる。
俊子さんは1929年生まれ、数えで97歳になる。那覇市若狭1丁目では8年ぶりとなった、カジマヤーパレードの主役だ。
この日のために用意されたのは真っ赤な琉装。元美容師の俊子さんは、その着付けを自身の手で行う。慣れた手つきで帯を締めると、凛とした表情がひときわ輝きを増した。
準備を終え、華やかに装飾された車に乗り込むと、いよいよパレードの出発だ。








