▽歌人・喜納勝代さん(85)
「嬉しいですね(歌碑が)建ったのは。私が死んでも歌碑は残るでしょう」

戦後の糸満の日常を映すこの歌には、モデルがいます。漁師だった金城松亀さんと妻のヨシさん。2人の娘は、当時の様子を鮮明に覚えていました。

▽金城松亀・ヨシ夫妻の五女 山城悦子さん(66)
「(母は)父親が漁に行く時は後ろから手を合わせて、無事に帰ってくるのを祈っていた、幼い時から見ていた」

歌碑のモデルとなった夫婦

▽長女 比嘉恵美子さん(73)
「両親を見ている人からは“働き者だ”という評判はある。その評判を、喜納勝代さんが近くに住んでいてくれたおかげで、うちの両親の難儀、苦労を詠んでくれた。そのありがたさ、言葉で言えないくらい感謝しています」

学生時代に短歌と出会い、「自分がやりたいこと」を見つけられたという喜納さん。子どもたちにも、自分と同じように「好きなもの」を見つけてほしいと話しています。

▽歌人・喜納勝代さん(85)
「子どもたちに将来好きなものを決めて進んでほしい。そうしたら皆さんも元気に何かができるはず。子どもも元気が出てくるさ、自然とね。自分の目標がはっきりするから」

喜納さんの歌集


喜納さんが詠んだ数々の歌は、写真や映像とは違う形で、沖縄の風景を映し出しています。(取材 竹内伊吹)