顧問からAさんへのLINE電話の回数等は63回、キャプテンに就任以降は50回もあり、Aさんは、顧問からの連絡に備えて自宅でも常にイヤフォンを装着。スマートフォンが手放せない状態だった。
▽第三者委員会委員長・古堅豊 弁護士
「その他にも大会のたびに、成績が振るわない場合は「キャプテンを辞めろ」であるとか。一定の良い成績を収めた場合でも褒められることなく、逆に「まぐれ」だとか言われたり、とにかく彼をほめることはせず“キャプテンを辞めろ”という言葉が日常的に、頻繁に投げつけられていた」
そして死の前日。
道場に行こうとしたAさんに激昂した顧問
顧問の勧めで部活後に通っていた道場に行こうとすると、咎められたAさん。
残って部活をすると伝えても、「キモい」「ウザい」といった暴言を受けた。

Aさんは顧問の指示にいくら従っても認められることはなく、矛盾した要求やメッセージを日ごろから受けていた。
相手がどうすることもできなくなる、この相反する指示は「二重拘束=ダブルバインド」と呼ばれる。
Aさんはどちらの選択肢を選んでも罪悪感や不安を覚え、否定的な感情が生じた可能性があると、報告書は指摘している。
▽第三者委員会委員長・古堅豊 弁護士
「自死の原因となったパワハラ的な教員による不適切な指導が、なかなか改善されない、後を絶たない。これは一体なぜなのだろうか」
「教育に携わる多くの方々の中で、子どもの権利に関する意識、人権意識がまだ醸成されていないのではないか」