過去にもあった不適切指導 学校の管理職は生徒に聴き取りせず

コザ高校の対応にも問題があったと指摘された。

Aさんが亡くなる以前にも、顧問は、宿泊先の女子部員の部屋を訪れ、“ベッドに寝転んで話す”、“女子部員の鼻の穴に指を入れる”など、いくつかの不適切な指導が学校に報告されていたのだ。

▽上間陽子 琉大教育学研究科教授(再調査委・副委員長)
「この(自死)事案が起こる前年度に、生徒に対する不適切な指導という問題がある。管理職がそれを掴んでいます。掴んでいるにも関わらず、当該の被害を受けた生徒たちへの聴き取りはなされていないんですね」

「生徒たちにとってみれば、どうしてそういう風になったのかとか、どう思っているのか、聞かれていくような学校文化があって、それが当たり前になっていたら、こういうことはなかったと思います」

上間陽子 琉大教育学研究科教授(再調査委・副委員長)

▽第三者委員 安里学 弁護士
「彼はすごく空手を愛していて、空手を上手になりたいと思っていた。良い成績をあげて全国大会も控えていた」
「続けたかっただろうな、守れなかった大人の責任は重いなと…」

2年以上をかけて行われた調査の報告書は、資料を加えると200ページを超え、全国で起こる同様の事案と比べても突出した分量となった。

詳細に行われた調査 報告書は200ページを超えた

調査報告書の最後の章「むすびにかえて」には、委員全員の思いが込められた。Aさんの人柄がこう記されている。