生徒『A』さんは、生きていれば今年「はたち」
Aさんの母・みかさん(仮名)
「一緒に成人式も撮りたかったね」

2021年、沖縄市の県立コザ高校で空手部の主将を務めていたAさんは、全国大会への出場を控えていた。しかし、別れは突然やってきた。
Aさんは2021年1月、高校2年だった17歳のときに自ら命を絶った。

当時の県教育長
「ご遺族ならびに関係者の皆様に心よりお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」
2か月後、調査を行った沖縄県教育委員会は自殺の要因を「部活動、とりわけ“顧問との関係”によるストレスの可能性が高い」と公表した。

【会見で記者】
ー顧問が調査報告に対して、自分の言動で認めていることを教えてもらえますか?
学校の管理職や県教委は即答できず、記者の前で認識をすり合わせる。当時の学校教育課長が答えを絞り出す。
【当時の学校教育課長】
「自死の前日に主将の自覚のなさについて叱責したことは認めている」
【記者】
ーこのようなプレッシャーを与える指導をいつ頃から続けていたのか?

会見が始まって2時間が過ぎても、的確な答えは返ってこなかった。
このとき行われた調査の期間は、土日を除くとわずか14日間。
当時調査にあたった第三者委員自身が、教育委員会に指定された「調査期間」について「著しく短い期間であると言わざるを得ない」と指摘していた。