生徒「Aさん」が亡くなって2年半が経ち、Aさんの父さとしさんと、母みかさんは、似た境遇にある親たちの会、「全国学校事故・事件を語る会」に参加するため神戸へ向かった。

▽部活中に息子が熱中症で死亡した父親
「右手がけいれん、目が開いたまま、死戦期呼吸(生命に危険がある状態での呼吸)、寝転がった息子はこんな状態でした。「はーーー、はーーーー…」
▽いじめ被害にあった当事者の妹
「2階から飛び降りようとする兄の能面のような感情のない顔や、まとう空気がとても恐ろしく、兄の体を引く母の体を引くことしかできませんでした。あのときの、4人家族が3人家族になるかもしれないという恐怖は今もよく思い出します」

2003年に兵庫県で発足した「全国学校事故・事件を語る会」。
学校でのいじめや事故、教員のパワハラなどによって子どもを亡くした全国の遺族らが集まる集会は、これまで100回以上開かれている。
▽自死した生徒Aさんの母・みかさん
「ここに来ないと得られない情報があるので、(息子のために)できなかったこともしっかり振り返りながら、いろんな方の知恵やアドバイスをもらって」
「 (亡くなった)息子に会う時に、よく頑張ったねって言ってくれるような、親としてはそれぐらいしかできないので」

当時、Aさんの自死については再調査が始まっていたものの、遺族として今後何をするべきか、全てが手探りの状態。
全国の遺族がそれぞれの悩みを語り、対応策を相談しあう貴重な場所でもある「語る会」で、みかさんたちは、我が子を亡くした痛みにあえぎ、それでも闘ってきた遺族たちの助言に耳を傾けた。