財産の確認は“ざっくり”でもいい

次が2個目。相続財産の内容。「いくらある?」という具体的な確認でなくてもいいです。口座はどこにある?とか、保険には入っていた?とか。あとは不動産はどういうものがある?とかですね。

大体、固定資産税の納税通知書で確認ができたりするんですけども、まれに共有名義になっている不動産の場合は、別の共有の人のところに固定資産税の納税通知書がいっていて、自分で把握してないというパターンもあったりしますので、こういうのも聞いてみる。「ほかにある?」と聞いたら、「そういえば離島にもあったかも」「おじいの名義のままの土地があるかも」といったことになってくるので、そこから確認できるので、まずは聞いてみる。

どう分けたいかは「共通認識づくり」が大切

3つ目は、一番大事。「どう分けたいか」。よくあるパターンが、親は、例えば子どもが3人いたら皆かわいくて、それぞれに「あなたに全部あげる」と皆に言ってしまっているパターン。そしていざ亡くなって相続が発生したときに、「えっ、お父さん、自分に全部あげると言っていたけど」と皆が言う。そして混乱することがあります。親は子どもが皆かわいいから、あげたい気持ちがあるかもしれませんが、そう言ってしまうともめ事のタネになってしまいます。

亡くなった人が「あなたにあげる」と皆に言っていることも…

なので家族ができるだけ集まっているタイミングで、「この家(家屋)をどうしたいと思ってる?」などと聞く。もらう側も、自分はいらないとか欲しいなどあると思うので、この家は誰に、あの土地は誰に、預金はどうする、残りは…と共通認識を持つことがとても大事です。

ーー子どものライフプランもあるから、話しておくことは大事ですね

なかなか話しづらい、ハードルが高いということはあると思いますが、「ラジオで聞いたんだけどさ」とでも話のきっかけを作ってもらいたいです。もめることが一番のデメリットなんです、相続というのは。

もめたら家族・兄弟の縁すら切れてしまう。本当に悲しいなと思う。そうならないために、「相続人の確認」「相続財産の内容の確認」「どう分けたいか」、この3点の確認は、必要最低限大事なこととして、ぜひ集まるタイミングで話題にしてもらえたら。「うちは大丈夫だと思うんだけど、一応聞いておこうね」という感じで!

この3つのポイントは、ファーストステップです。一番いいのは遺言書を書いてもらうことですけど、なかなかハードルが高いので。その前の段階の確認をしてみてください。

友利真由美さん(不動産専門FP/ 株式会社エレファントライフ代表)



談:友利真由美さん(不動産専門FP/ 株式会社エレファントライフ代表)
(RBC iラジオ「アップ」8月12日放送 より)