4年前コザ高校で、空手部の主将だった当時2年の男子生徒が、顧問から受けた「理不尽で強烈な叱責」を苦に自殺しました。先月、男子生徒の命日に合わせて追悼集会が行われましたが、実はその前に、教職員を対象にしたもう一つの集会が開かれていました。我が子を亡くすということは、どういうことなのか、再発防止を願って、男子生徒の母親が、初めて語った息子の最期とは。
▼下地麗子キャスター
「高校に行くのはいつぶりですか?」
▼母・みかさん(仮名)
「どれぐらいかな……いつぶりだろう。ちょっと覚えていないぐらい」
先月8日。亡くなった男子生徒の母・みかさん(仮名)は、3年以上遠のいていた、息子の高校を訪ねることにしました。
▼母・みかさん(仮名)
「おそらく文面や人からの話と、当事者の私からの話は、何か違うんだろうと思っています。もっと早くにという話もあったんですけど、早い遅いではなくて……。すぐには話せませんでした」
4年前、顧問からの叱責を苦に自殺した息子に何があったのか。現在コザ高校に勤める教職員の前で、初めて語る決意をしました。
▼母・みかさん(仮名)
「息子のことを話すのは今でも苦しくて辛いんですが、遠いどこかの誰かの話ではなくて、2021年まで実際にここにいた、このコザ高に在籍していた高校2年生の息子の話です。内容的にあまりいいものではないので、不安があったり、聞いていて体調が悪くなったりする場合には、遠慮なく離席してもらっても構いませんので、しっかり聞いてもらえればと思っています」
息子の遺影と、名前の刺しゅうが入ったタオルを傍らに、みかさんは語り始めました。
▼母・みかさん(仮名)
「息子は3人きょうだいの次男として我が家に生まれました。すごく人思いというか、なんて表現していいか分からないんですけど、思いやりのある優しい子でした」
小学1年生から始めた空手。中学までは沖縄市から恩師のいる名護市に通って稽古し、高校で初めて仲間と歩む部活動を経験しました。
▼母・みかさん(仮名)
「仲間ができて一緒に頑張ることが、息子にとってはとても貴重で楽しい時間だったようです。毎日夕飯時間に1時間ぐらい、学校でのことをずっとしゃべってくれるんですよ。すごく楽しそうにいろんな話をしてくれて、充実しているんだろうなといつもそばで見ていました。本当にいろいろありました。こんなに頑張っても、あんなに笑顔を絶やさなかった子が、段々と……笑顔がなくなってきて、元気がなくなってきて……」