▽サンカル・ラムサルさん(23)
ー戦争があったら自分たちは参加する?
「もちろんします。自分の国、政府がするとなったらもちろん参加します」
「(戦争は)ないほうがいい。だけど、自分の国のためには行きます」
▽宇久田花奈さん
「沖縄の人はこういう経験があって、おじいさんおばあさんからダメだよって教えてもらって、国のためでも行かないほうがいい、みんな一緒にならないほうがいいって教えてもらったから、沖縄の人とほかの国の人とではまた意見が違うかもしれないね」
命の尊さに対する思いは同じでも、歴史や文化が違えば考え方も違う。こうした会話の中からも、お互いにとっての新たな発見がある。
▽サンカル・ラムサルさん
「一番大事なのは自分の家族だから(沖縄の人は)そんな気持ちになると思います」
様々な国の留学生に沖縄戦について伝えることの難しさを宇久田さんは常に感じ、試行錯誤を続けているという。
▽宇久田花奈さん
「今回はネパールで親日的な国なので、学生も受け入れやすい話だったかとは思いますけども、国が変わってしまうと、素直に聞くのは難しい状況もあるかと思いますので」
「知ったあとで、例えばアルバイト先の人だったり、周りにいる沖縄の人とそういう話ができるとすごくいいなと思っています。そうすることで外国人、留学生でもそういうことに興味・関心を示しているということが沖縄の人にも伝わることで、平和に繋がるんじゃないかとも考えています」
言葉や文化の違いを乗り越えて実感する、平和の尊さ。慰霊の日の本当の意味を知った留学生たちは、これから沖縄戦を語り継ぐ大事な存在になるのかもしれない。
(取材後記)
宇久田さんは、慰霊の日には勤める日本語学校で留学生向けの平和学習も企画している。彼女のような存在を通して、様々な国・地域の留学生が沖縄戦のことを知る機会があるということはとても有意義だ。宇久田さんは今後、留学生向けの平和学習の教材を県内で広く使えるようにしていきたいと考えている。
(取材:上江洲まりの)