きれいな海に見えても・・・
■吉田良祐さん
「宝探ししてきます!」
この日の海はほとんど濁りがなく、辺り一面のサンゴがきれいに見えた。しかし、よく見てみると・・・ごみがあった。
ペットボトルも落ちていた。プラスチックごみは海の生き物が飲み込む可能性があり、海洋ごみの中でも特に問題となっている。私たちがよく見かけるのは、海岸に打ち上げられた漂着ごみだが、水中にも実に様々な種類のごみがある。海底には、バイクや自転車まで沈んでいた。こうした大きなごみは、生き物の住みかになっている可能性があるほか、引き上げるさいに危険が伴うため、ごみ拾いダイビングでは拾えない。
■東 真七水さん
「海の底にもごみが沈んでいることを調べていくなかで知って、水中のごみを拾いたいと思いながらダイビングを勉強した」
奈良県出身の東さん。スキューバダイビングで沖縄の海に魅了され、きれいな海を守りたいと、水中ごみ拾い専門のダイビングショップをオープンした。
東さんが大切にしているのが、「楽しいごみ拾い」だ。
■東 真七水さん
「楽しい、という視点でごみ拾いを広めることで、興味を持ってくれる人が増えるのではないか」
「最初は疑いの目でみんなに見られていたけど何年も発信して、自分も楽しみながら伝えることで、「楽しい」って言う方が増えたし、「やったことないけどやってみたい」という声をもらった時に、信じてやってきて良かったと思います」
今回初めてごみ拾いダイビングをした吉田さんは・・・
■吉田良祐さん
「生き物しか普段見ないじゃないですか。でもずっと落ちているごみを探すでしょ。なんか新鮮な気持ち。ごみを見つけたとき、宝物を見つけた感じで楽しいです」
ダイビングの新しい楽しみ方としてリピーターも増えていて、回収したごみを活用してアクセサリーをつくるコースなど、誰でも楽しくごみ拾いに参加できる。きれいな海を守るこの活動は、海の生態系の保全を目指すSDGsの目標につながっている。
■東 真七水さん
「1人でどれだけ拾っても拾いきれなくて。大事なことは1人の100歩より、100人の1歩だと、活動しながら思っています。興味のない人が興味を持ってくれることが私にとってはうれしい。「こんなのが海にあるんだ」と、面白いというフックから環境問題に興味を持つ、そのきっかけ作りを、今後はダイバーだけじゃなく海がない地域でも展開できたら」








