土砂が水路を塞ぎ3万5千匹のヤマメが死ぬ
(新地隆男さん)「エノハ(ヤマメ)の養殖場だが、山崩れのために魚が全部死んでしまった」
新地さんが運営するヤマメの釣り堀。土砂崩れが水路を塞ぎ、全体の7割にあたる3万5000匹の魚が死にました。夏の行楽シーズンを目前に控える中での被災。見通しが立たない営業の再開には行政の助けも必要だと新地さんは訴えます。
(新地隆男さん)「いち民間人では到底無理。民間の土地だが、どうにか片付けて、客が安心して来られるような状態にお願いしたい」

落ち着きを取り戻した本耶馬渓町青地区
一方、浸水被害が広がった「青の洞門」一帯の本耶馬渓町青地区。被災から2週間近くが経ったこの日はすでに後片づけは済み、普段の落ち着きを取り戻していました。

(被災した市民)「元の状態に戻さないとね、店もずっと閉めたままというわけにはいかない」「機械類は1週間以上経ってやっと乾いた。今年中に再開できたらいいかな」
この地区は2012年の九州北部豪雨でも浸水被害に見舞われました。この時は山国川の氾濫が原因でしたが、今回について住民は口をそろえてこう証言します。
(被災した市民)「山水がバンバンバンバン、下流に1本ポンプがあるけどそれでは間に合わない」「外に排水するのが追いつかなかったみたい。少し不安が残る」
今回は裏山から大量の水が地区に流れ込んだことが原因。本来は山国川に排水されますが、当時は濁流で水門を閉めていたため、浸水被害が広がったとみられています。
市が設置したポンプは機能せず
また、こういう時のために市が前回の被害を受けて設置したポンプも排水が追い付かず機能しきれませんでした。

(中津市排水対策課・江河和祐課長)「今まで少なくともここ何十年経験したことのなかった水の量だった。対策はひとつひとつ検証して、実現可能なものを考えていかなければ」
被災者の生活を一変させた記録的な大雨。完全な復旧、生活再建となるには時間がかかりそうです。