福岡市の海の中道大橋で2006年に発生した飲酒運転事故で3人の子どもを亡くした大上かおりさんが23日、大分市内で講演を行い、被害者遺族として19年間抱えてきた苦悩や被害者支援のあり方について語った。大上さんは、事故後の生活や加害者への思いを率直に述べ、被害者一人ひとりの状況に応じた支援の必要性を訴えた。
忘れられない記憶
2006年8月25日夜、大上さん家族5人の乗った車が追突され、博多湾に転落。幼い3人の命が奪われた。
「私自身が被害者だったので、事故の状況や子どもが亡くなっていった姿をすべて鮮明に覚えています。だからこそ、どうやって生きていこうかという思いは、その時からずっと変わらずにあります」

「どうして自分が助かったのか、助かってしまったのか。子どもの命と引き換えに伝えたかったメッセージは何だったのか…」と自責の念に長く苦しんだことも明かした。
「火葬をしたくなかったし、収骨室にも入りたくなかったし、3人の遺骨を小さな骨壺に順番に入れることもしたくなかった。でも“決まったこと”のように立ち会わなくてはならなかった。その苦しさは今でも残っています」



















