周りも「頑張れ」と言えるような社会に

こうしたなか、宮崎市のこちらの病院では治療と仕事が両立できる環境づくりに取り組んでいます。

(ARTレディスクリニックやまうち 山内憲之院長)
「1時間も2時間も診察するわけじゃないから、できるだけ待ち時間をなくしてるんですよ。『ちょっと30分抜けてきます』って診察して、また仕事に戻れるとかいうような感じでやってる」

病院では去年、治療を受けた118人が妊娠しました。

山内憲之院長は、不妊治療について、「社会全体での理解と受け入れる体制づくり」が必要と訴えます。

(ARTレディスクリニックやまうち 山内憲之院長)
「体外受精で、日本中で生まれる子供は14人に1人ぐらいなんですよ。病院にかかっていることを言いたくない、誰にも言いたくない、職場にも知られたくないとかそうじゃなくて、行っているんだったら『行ってますよ』って言えるような環境を作ってやるっていうのが一番大事かなとは思いますよね」

不妊治療を経験した原田さんも次のように訴えます。

(原田いくみさん)
「せっかく『子どもがほしい』という幸せなことを願っているので、明るく取り組めるように周りも『頑張れ』って言えるような社会になってほしい」

全国で去年生まれた赤ちゃんの数は、過去最少の77万人。
少子化対策が問われるなか、不妊治療への理解や支援がいま求められています。