「海に飛び込む」は大きな誤解!津波発生時の正しい行動

加藤沙知アナウンサー
海水浴シーズンということもありまして、海や川の近くで過ごす方も多い季節ですが、地震とか津波が発生したらどう対応していけばいいんでしょうか?


九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
地震が発生した場合には、電力が損失すること、いわゆるブラックアウトというのが起きるリスクがあります。
そのため、日陰であるとか、風通しがいい場所を事前に見つけておいて、仮に電気が止まったとしても、暑さをしのげる用意をしておくことが重要です。
さらに、電源喪失すると、電源を必要とする方々、特に、災害時要配慮者の中でも医療的なケアが必要な方々は、そういった電源を事前にしっかりと確保しておく必要があります。
そういった方々に関しては、今のうちから蓄電池の充電をフルパワーにしておくということが大切な備えであると言えます。

加藤沙知アナウンサー
やはり、津波注意報、それからこれから警報に上がるという可能性も0ではないわけなんですけれども、これから夜にもなってきます。
大切なことはどういったところでしょうか?

九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
最も大事なことは、海に近づかないということです。
海水浴場はもう閉まっていて、海水浴客はさすがにいないと思いますが、例えばサーフィンでありますとか、磯釣りであるとか、通常、監視員の方が目に届きにくい場所に海を楽しまれる方はいらっしゃると思います。
そういった方も非常に注意が必要だということで、海に近づくということは極力控えていただくという風に考えていただければと思います。

加藤沙知アナウンサー
きのう(29日)は青島で調査をされていたということで、そこで観光客の方のお話をちょっと伺っていたんですけれども。

九州大学 杉山高志准教授(防災心理学)
本当に偶然、昨日、観光客の方に調査を行っていました。
多くの方、その当時はまだそういう事態が起きると思っていなかったので、そういった危機意識のなさもあったのだと思いますが、「津波が来たら、いざという時は、波の中に飛び込んだらいい」という風におっしゃっていました。
これは本当に津波に対する大きな誤解です。
津波とは、大きな波ではありません。
津波とは、海底の奥から、ある意味、壁のようにやってくる波のことで、波の中はいろんな漂流物で、岩であるとか、砂であるとか、いろんな瓦礫であるとか、そういったことを含めた波です。
なので、誤ってもその波の中に飛び込んでしまうと、様々な打撲を受けて、死亡、命の危機につながるようなことになってしまいます。
ですので、津波が来たら絶対に逃げなければいけませんし、そもそも、海に近づかないということが、この数時間の間は非常に重要だと思われます。

加藤沙知アナウンサー
より高い場所を目指すというところが大事になりそうですね。

川野武文アナウンサー
津波が来ると、港から漁船を沖に逃がすというような状況で、少しそういった誤解をしてる方もいらっしゃるようですが、漁船と人間は全く違うということですね。