「赤ちゃんポスト」開設初日に預けられた男の子

(宮津航一さん)
「これがゆりかごに預けられたときに、一緒に置いてあった服と、多分、靴は一緒にはいてきたもの、ちょっと汚れがありますけど」

熊本市に住む大学4年生の宮津航一さん(21歳)。

今から18年前、熊本市の慈恵病院に「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」が開設された初日、3歳の航一さんが預けられました。

(宮津航一さん)
「自分の中でも、写真で撮ったかのように、ゆりかごの扉の絵だけは鮮明に記憶に残っています」

その後、航一さんは、宮津美光さん、みどりさん夫妻の「里子」に迎えられました。

(宮津みどりさん)
「五男がちょうど高校生だったので、皆、大きくなっていた。でも、久しぶりに小さい子が来たので、かわいくて、うちの中が華やいだ」

(宮津航一さん)<アルバムを見ながら>
「これが誕生日ですね。ケーキは父の手作りの。少し不格好なのが味ですよね。うちに来て最初の誕生日」

ともに時間を重ねる中で、航一さんは2人を「お父さん」「お母さん」と呼ぶようになりました。

(父・美光さん)
「(公園で)僕をほかの子どもに紹介する。これが僕のお父さんだよ。これがお父さんです、それを1ヶ所じゃなくてみんなに。いよいよお父さんになったなって思った」

(母・みどりさん)
「(保育園の)お迎えに行くじゃないですか、教室まで。そのときに他の子もいるから、ちょっと話しかけたりするでしょ。そうすると、『僕のお母さんだから話をしないで』って(笑)」