取材に当たった竹村記者と共に参院補選を振り返っていきます。竹村さん今回の選挙、広田さんの完勝でした。

(竹村総平記者)
「はい。改めて開票結果をご覧下さい。広田さん23万票あまり、西内さん14万票あまりと9万票もの差がつきました」

「続いてこちらの数字29対5ですが、こちらは高知県内34市町村での勝敗です。県内34市町村のうち、29市町村で広田さんが、5市町村で西内さんが相手を上回りました。この数字からもいかに広田さんが幅広く支持を獲得していたかがわかります」

圧倒的と言ってもいい数字ですよね。

(竹村総平記者)
「実際に広田さん自身も『こんなに差がつくとは』と驚いていました」

これほどの差が付いた要因は何なんでしょう。

(竹村総平記者)
「大きく3つあります。(1)元自民議員の暴行問題(2)無所属を強調した選挙戦(3)16年の国政経験という実績」

今回の補欠選挙は元自民党の前参議院議員による暴行問題がきっかけで、自民党にとってはマイナスからのスタートでしたね。

(竹村総平記者)
「問題を起こした本人は議員辞職しましたが、結局しっかりとした説明はないまま選挙戦に突入。西内さんや応援弁士は特に県内での演説では謝罪と反省から入らざるを得ない状況でした。それでも『自民党は本当に問題を反省しているのか』という一部有権者の疑念はぬぐえず、広田さんが批判票の受け皿になりました」

西内さんが自民党の組織力を生かす一方で、広田さんは無所属であることを強調していましたね。

(竹村総平記者)
「広田さんは立憲民主党や共産党からは推薦を受けない『完全無所属』出馬。保守からリベラル、革新無党派層まで幅広い層からの指示を得るため、県内では政党色を抑えた草の根の選挙運動を展開しました。一方、知名度に課題を抱える徳島では立憲民主党の有名議員らに応援を依頼していたことなどから、『選挙になったら無所属で出馬当選したら政党に戻るのでは』という声も一部で上がりましたが、大勢には影響はありませんでした」

参議院2期、衆議院1期の実績もプラス要素ですね。

(竹村総平記者)
「はい、広田さんは選挙中の演説でこういった言葉を繰り返していました」

(広田一氏)
「私はかつて防衛大臣政務官をやって防衛力の強化については理解のある1人です。しかし私から見てもこのやり方はとても認めるわけにはいきません」

(竹村総平記者)
「即戦力をアピールできる実績、そして知名度を有効に活用したのが広田さんの選挙戦でした。これら3つの要素が県内はもとより、知名度ではほぼ互角だった徳島でも優位に働いたことが両県で西内さんを上回る得票につながったと思います」

しかし今回の選挙危機的な低投票率でした。

(竹村総平記者)
「高知が40.51%、徳島は23.92%。今回の選挙が突発的な補欠選挙、そして徳島にとっては高知の候補同士の選挙だったとはいえ、あまりにも低い数字です。政治への関心が、という部分ももちろんあると思いますが2016年以来の徳島・高知合区選挙という仕組みが限界に来ているともいえるのではないしょうか。合区解消への取り組みをより真剣に考えるタイミングだと思います」

低投票率だからといって当選した広田さんが担う仕事の重要性は変わりませんね。

(竹村総平記者)
「合区で通った議員だからこそ高知と徳島両県の広い地域の声を届ける必要があります。広田さんに期待することを聞いてきました」

「(物価高対策は)すごく期待するところで、いろいろ物を買っていてもガソリン代とかだったり家計に直結するところが苦しいので、そこの辺りを期待しています」
「時代が時代なので少しでも全体的に回復すること。戦争が終わらない限りガソリン代はどうでしょう、と思います」
「地元の高知だけではなく徳島のことも十分考えて、頭に入れて政治をやってくれると思う。とても期待しています」

外交や安全保障など国政ならではの政策と同時に、生活に密着した国民の生活に寄り添った政策を実感できる形で進めることが求められていると感じました。広田さんだけでなく県選出の国会議員や地方議員まで、すべての方が「政治への信頼を取り戻す」政策を進められるよう、有権者の我々もしっかりと関心を持ち続けることが重要です。