誰しもが、“がん”になる可能性があります。8歳で“小児がん”になり「生存率50%」と言われた高知市の男の子は、周囲に“笑顔”を見せながら、一人で手術室に入っていきました。男の子と家族の、11か月の闘病の記録です。

2024年9月、東京の病院で手術を控える男の子がいました。高知県に住む小学3年生の甲原希一くん。彼が闘っていたのは「小児がん」です。

取材班が希一くんと出会ったのは、2023年の7月。妹の采花さんと、番組の生中継に出演してくれていました。

突然の“異変” 痛みに耐える希一くん…しかし診断は

異変は、その9か月後、2024年4月ごろに起きたといいます。2週間に1回ほどの間隔で、胸や肩の痛みを訴え始めた希一くん。小児科や心臓内科の受診では「異常なし」という診断でした。

◆母・佳緒里さん
「私たちも『そんな大きな病気じゃないだろう』って…。2週間に1回の痛みで、毎日ではなかったので…」

それまでは、健康に何の不安もなく生活していた希一くん。定期的に痛みを訴えるその姿が、やはり心配で、両親はさらに別の病院を受診しました。その日の夜、母・佳緒里さんのもとに、父・君裕さんから電話がかかってきました。

「腫瘍が見つかった。100%悪性」

◆母・佳緒里さん
「『希一に腫瘍が見つかった』って言われて…。“腫瘍=がん”って結びつかなくて、『良性の可能性もあるよね』って聞いたら『水が溜まっているということは100%悪性と言われた』って言って…。その瞬間は、今でも鮮明に覚えています」