『WEリーグ』誕生 その時、川村選手は
そして日本の女子サッカーが大きく動きます。
2021年、日本初の女子プロサッカーリーグ『WEリーグ』が開幕するのです。
しかし当時、川村さんはひざの故障と戦っていました。

「WEリーグ開幕前に練習試合をしたとき、接触で右ひざをけがしてしまって…そこからリハビリをしていましたが上手くいかなくて…」
ひざの状態はなかなか良くならないまま、WEリーグが開幕。川村さんは間に合いませんでした。
それでも少しずつコンディションを上げて練習に復帰すると、2021年12月25日に皇后杯の4回戦で後半17分から途中出場。そして続く29日の準々決勝でも、後半26分から途中出場を果たしました。
「その試合は先制されていて、途中から出て『絶対勝たなきゃ』と思っている中で、出てすぐに…」
また ひざをやってしまったとすぐに分かった川村さん。ひざもつけず、歩けずに担架で運び出されるときの光景を今でも覚えています。

「サポーターの前を通っていく時が、一番つらかったと思います。サポーターの顔なんて絶対見れないって思いましたし、ロッカーに戻る前に終了のホイッスルが聞こえて、負けたというのもわかって…自分がロッカーに着いたら、チームメイトが戻ってきて、負けて泣いている選手もいるし、私自身がひざをやってしまったというので泣いている選手もいました。本当に言葉にならないというか、いろいろな感情が入り乱れてしまって…」