「もうサッカーやめたほうがいいのかな」

このけがで、川村さんは2回手術し、リハビリに臨みました。
しかし、「絶不調」と言えるほど、1回目と2回目と比べてリハビリが上手くいきませんでした。

「自分に合ったリハビリがなかなか見つからない。筋力をつけたら復帰できるのかといって筋トレばっかりしたけど、全然復帰できない。むしろ、ひざの調子が悪くなっちゃうとか…」

何したらいいんだろうと模索しても、いい答えが見つからない。
そんな時、頭の中には今まで考えてこなかった言葉が浮かんだと言います。

「もう、サッカーやめたほうがいいのかなという考えが、もう何十回、何百回かわからないくらい…」

それでもピッチに戻るという気持ちを奮い立たせてくれたのは、支えてくれる人たちのあたたかさでした。

「去年までは、なかなかチーム自体が上手くいってなくて、結果も出ていなくて。それでもチームのメンバーからは『早く戻ってきてよ』という声をもらいました。またサポーターと会うと『いつ戻ってくるんだ』『待っているぞ』と声をかけてくれて。家族も、普段は自分に ガミガミ言ってくるような人たちでもないので、そっと見守ってくれたという感じで。そういう人たちの声が自分の辞めそうな気持ちを繋いでくれたのかな」

けがから2年、ついに“WEリーグデビュー”

ピッチに戻る―
その思いでリハビリを続けた川村さん。
けがから2年近くたった2023年11月11日。INAC神戸レオネッサとのWEリーグ開幕戦に後半30分からピッチに立ちました。

「試合前日に、メンバーに入ったと連絡が来たんですけど、それを1人で車で見たときに、ほっとしたというか…スタートラインに立てたという気持ちが強かった」