やがて女性は結婚して家庭を持ちましたが、子育てでプレッシャーを感じる時などには、過去の虐待やパワハラを思い出して寝込んでしまい、日常生活が送れなくなるといいます。

「(虐待は、)何歳の頃かっていうのは全く覚えていないんですけど…」
― 働いたのは何年から何年まで?
「ちょっと覚えてないんです。すみません…」

女性は私たちの取材に対し、虐待されていた年代を「よく覚えていない」と答えましたが、トラウマケア専門のカウンセリングルーム・VISIONの名和淳院長は「これも『トラウマ症状』だ」と説明します。

「解離症状が強くて忘れちゃうとか、大変な感情が出てこないようにしているっていう、“防衛”を使っているわけなんですね」

女性は、車などの狭い空間にいることもトラウマになっているそうです。