【松本安一郎さん】「やっぱり小岩内という集落で皆さんと一緒に住んでいきたかったんですけどね。これから先どうなるか分かりませんけれども…仕方ないですわ。小岩内の集落の人全部一緒に仮設住宅で住むので多少窮屈でもね、行ってみないと分かりませんけれどもね」

そしてこの日、安一郎さんは村上市役所に自宅の取り壊しを申請しました。

【松本安一郎さん】「悲しいです。その一言ですね。本当は取り壊したくなかったんですけどね、今後を考えた場合これで2回目ですからね。それでまた今回やられたのでとてもあそこで住むのは難しいんじゃないかと思いまして心で決めて取り壊しすることにしました」
先月13日…
【松本一成さん】「ははは、色々揃ってていいですね」
この日、松本さん親子は仮設住宅に生活用品などを運び込んでいました。
県が村上市荒川地域に設置した37棟の仮設住宅には小岩内集落の33世帯の入居が決まっています。

親子それぞれ別の仮設住宅ですが食事の際は一緒に食べるなど1か月ぶりに家族の顔を見ながら生活を送ることができます。
【松本一成さん】「(家族の)顔をみながらいるというのは安心ですよね」
コンテナ型の仮設住宅はひと棟あたり最大4人が入居でき冷蔵庫やテレビなど家電設備も備えられていて防寒対策のため窓も厚くなっています。

仮設住宅への入居からおよそ2週間。
私たちは父・安一郎さんのもとを訪れました。安一郎さんはコンテナ型の仮設住宅に夫婦2人で生活をしています。今の楽しみは朝の散歩と晩酌だという安一郎さん。仮設住宅での生活にも慣れてきたといいます。

【松本安一郎さん】「慣れましたね。風呂もトイレも近いしこじんまりしてかえっていいですね。2人で生活するんだったらね」
仮設住宅という形ですが同じ集落に住んでいた人と近くに住めることはありがたいと話しています。
【松本安一郎さん】「みんな一緒だから会えば話をできるしいいですね。集落の中にいるようなものですね」
生活再建に向けた一歩を歩み出している中ですがいつになったら元の生活に戻れるのか、元の状態にはもう戻れないのではという不安もあります。
【松本安一郎さん】「2年間(仮設住宅)借りているんですけどね、その後どうなるか…やっぱり小岩内もどりたいですね。離れ離れになるのはちょっとね寂しいですからね」

豪雨から2か月…小岩内集落に溜まっていた流木は取り除かれました。シャッターを突き破り溜まっていた土砂も撤去され車庫の中には土砂の跡が残ります。