新潟県の県北地域を襲った豪雨被害から2か月。
復旧が進む地域がある一方で、現在も避難指示が続き仮設住宅での避難生活を余儀なくされている住民もいます。
土石流被害のあった、村上市の小岩内集落の2か月です。

【松本一成さん】「やっとこれで普通の生活ができる。風呂もあるしね」

村上市の小岩内集落に住む松本一成さんです。仮設住宅への入居を前にして笑みがこぼれます。生活再建に向けて一つずつ前を歩んでいますが不安はぬぐい切れません。

【松本一成さん(59)】「これから修理でも何でも、家を建てるにしてもね、お金がないと何もできないので、もうちょっと援助の方が必要になってくると思います」

8月3日から降り始めた豪雨災害により、新潟県内では2349棟の住宅が被害にあいました。このうち土石流が発生した村上市の小岩内集落では6棟が全壊したものの幸い犠牲者は一人も出ませんでした。

松本一成さんの父親、安一郎さんです。

【松本安一郎さん(89)】「まさかこんなことになるとは思いませんでした」

被災した直後、私たちは小岩内集落で片付け作業に追われる安一郎さんと出会いました。土砂が入り込んだ家屋…このとき、松本さん家族は自宅の復旧を目指していました。

【松本安一郎さん】「何年かかるか分かりませんけれど」

それから1か月。小岩内集落には重機が入り復旧作業が始まっていました。

【松本一成さん】「この辺からこう入ってきたような感じですね、水とか土砂がとかね」

「このままもうあきらめて、泥をとってもどうせもう壊すのでね」

「何年かかるか分からないけど復旧目指す」被災直後、父の安一郎さんはこう話していました。

ただ、松本さん一家が住んでいた自宅は「大規模半壊」という判定を受けました。この場所に住み続けることへの恐怖もありました。

【松本一成さん】「やっぱり離れたくないっていう感情はありますけど、お隣さんもああいう状態ですしね、今までのようには行かない感じしますね。父が建てた家なので、父が一番切ないと思います」

この頃、安一郎さん夫婦は息子夫婦とは別に、村上市の避難所で生活をしていました。一家で話し合った結果、安一郎さんも自宅を取り壊し、仮設住宅に入居することを決めました。