去年8月の豪雨で甚大な被害を受けた新潟県村上市の田んぼで田植えが始まりました。災害を乗り越え新たな1歩となりました。

村上市の春木山(はるきやま)集落に住む阿部高幸さん 52歳です。阿部さんにとって今年の田植えは特別です。

【阿部高幸さん】「よくここまで来たなと思いますね。今年は駄目なのかなというのは先走ってあった」

去年8月、県北を襲った豪雨で田んぼ近くの用水路が決壊。稲刈りを目前に控えた田んぼに雨水や土砂が押し寄せました。

【阿部高幸さん】「(隣の田んぼは)稲が見えなかった。ここでやっと稲の頭が見えたくらいかな。(濁流が)ものすごい勢いで流れていると」

コシヒカリのほかに家畜の餌となる飼料米やもち米も栽培している阿部さん。およそ9ヘクタールの田んぼを持っていますが、今年は復旧が終わった7ヘクタールほどで田植えができるということです。

ただ…
【阿部高幸さん】「悪く言ったらヘドロに近いというか、(土が)やっぱりべったべただからね」

土は土砂が混じって粘り気がある状態で、田植え機の動きも悪くなるそうです。

田植え前の代掻きでもうまく土がならせず、田んぼに高低差ができてしまいました。水がうまくはれないことで成長や品質に偏りが出る心配があるそうですが、実りの秋を楽しみにしています。

【阿部高幸さん】「例年通りによくなってほしいなって。水害はもうたくさんですよね」

田植えは今月15日まで続くということです。