「周回遅れのダントツ最下位」
競歩と出会ったのは、ともに静岡県内の高校に通っていた1年生の時。奇しくも、ともに恩師から「長距離からの転向」を勧められてのことだった。
初めて出場したレースで「後ろから2番目の選手の周回遅れというダントツ最下位だった」と苦笑いする川野だったが、ここから一気に頭角を現す。
高校2年で出場した和歌山での全国高校総体で銀メダルに輝くと、翌年のインターハイでも銅メダル。年代別の日本代表にも選ばれ、世界を経験した。

一方の池田、高3の静岡県高校総体では、川野に2分半以上の差をつけられての2位。インターハイでは5位入賞を果たしたが、川野に及ばなかった。
「追いつけ、追い越せ」
互いを良きライバルとして認め合い、切磋琢磨することで、気が付けば、2人は世界を代表するウォーカーへと成長していた。