「周回遅れのダントツ最下位」

競歩と出会ったのは、ともに静岡県内の高校に通っていた1年生の時。奇しくも、ともに恩師から「長距離からの転向」を勧められてのことだった。

初めて出場したレースで「後ろから2番目の選手の周回遅れというダントツ最下位だった」と苦笑いする川野だったが、ここから一気に頭角を現す。

高校2年で出場した和歌山での全国高校総体で銀メダルに輝くと、翌年のインターハイでも銅メダル。年代別の日本代表にも選ばれ、世界を経験した。

高校時代から切磋琢磨してきた川野(写真右)と池田(中央)=2016年撮影


一方の池田、高3の静岡県高校総体では、川野に2分半以上の差をつけられての2位。インターハイでは5位入賞を果たしたが、川野に及ばなかった。

「追いつけ、追い越せ」
互いを良きライバルとして認め合い、切磋琢磨することで、気が付けば、2人は世界を代表するウォーカーへと成長していた。