高市総理は10月24日の所信表明演説で「物価高対策に最優先で取り組む」との姿勢を強調し、中でも「ガソリンの暫定税率廃止」に力を込めました。
専門家は、「政策実行と財源のバランスが重要」と指摘します。

<高市早苗総理>
「今の暮らしや未来への不安を希望に変え、強い経済を作る。そして、日本列島を強く豊かにしていく。絶対に諦めない決意をもって、国家国民のため、果敢に働いてまいります」

24日の所信表明で「物価高への対応に最優先で取り組む」と力を込めた高市総理。

<高市総理>
「いわゆるガソリン税の暫定税率については、各党間の議論を踏まえ、今国会での廃止法案の成立を期します。軽油引取税の暫定税率も、早期の廃止を目指します」

特に、ガソリン1リットルあたり25.1円上乗せされている暫定税率の廃止について言及しました。

<坂口将也記者>
「静岡市内のガソリンスタンドです。今日の価格を見てみるとレギュラー172円と一時期よりは安くなっていますが、まだまだ高いなと感じる金額です」

<利用客>
Q.ガソリン価格どうですか?
「高いですよ」
「勘弁してほしいと思うだけんが、なきゃ困るもんで入れるんだけどね」

<利用客>
「安くなってくれたら嬉しいです」


10月22日、資源エネルギー庁が発表した県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は1リットルあたり175.3円。
暫定税率の廃止が実現すれば現在の補助金10円分がなくなっても、今より15円ほど安くなる計算です。

<利用客>
「期待はしますよね。やっぱ安いに越したことはない」

焦点となるのは「具体的な廃止時期」。

自民・維新の与党と公明党は24日に協議を行い、廃止時期についてはガソリンスタンドなど、現場に負担や混乱が生じないよう検討を進めることを確認しました。

ガソリンの協議が進む中、軽油の暫定税率廃止に期待を高めるところも。

<山崎運輸 山崎俊昌社長>
Q.すごい大きいトラックですね
「これは13トン車といってトレーラーの次に大きいトラック」
「このサイズを含めて全部で32台抱えている」

静岡市の運送会社では、県外にもトラックを走らせていて、ひと月に4万リットルもの軽油を使用しています。

現在、軽油にかけられている暫定税率は17.1円。
厳しい経営環境が続く中、ありがたい政策だと話します。

<山崎運輸 山崎俊昌社長>
「単純にプラスになる話にはなるので、ありがたいですね」
「その部分の原資が社内で使えるので、設備投資や賃金の部分であったり、そういう原資になる可能性は高いと思う」

経済の専門家は、ガソリンや軽油の値下がりはドライバー以外にも効果が見込めると話します。

<静岡経済研究所 恒友仁専務理事>
「物流コスト、色々な製品、商品が運ばれてくるコストも下がってくるということになるので、引いてはスーパーや店舗に並ぶ商品のコストも下がってきて、上手くいけば物価高の緩和、抑制につながるのかなという風に思います」

一方で、高市総理が掲げる「積極財政」の危険性も指摘します。

<恒友専務理事>
「政策のプラスの効果面だけ見ると、色々なことをやれば盛り上がるんですけれども、結局そこに投入する資金がないと借金で賄われるということになってしまう」「あくまでも政策実行と財源、このバランスというのは非常に重要かなという風に思います」