「寝ているとき息が止まっているよ」。広島カープで活躍した元プロ野球選手の天谷宗一郎さん(41)は、妻からの何気ない一言である病気を自覚することになりました。潜在患者は900万人といわれ、自覚症状の無さから”沈黙の病”と呼ばれる睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。放置すると深刻な合併症のリスクも高まります。自覚症状がない分、見逃してはいけないサインがあります。(【特集】「睡眠が壊す健康~眠りの奥に潜む“沈黙の病”」全5回シリーズの1回目)

■“健康そのもの”に見える人も、危ない

夜、寝室に響く大きないびき。疲れているだけ、そう思い込んでいた…。しかし、その音の裏では、命を削る異変が静かに進んでいました。

「まさか自分が、そんな病気だったなんて」

そう語るのは、元プロ野球選手で、今は解説者として活躍する天谷宗一郎さん。現役時代は厳しいトレーニングをこなし、食事にも気を遣ってきました。体格も良く、肌つやも健康的。周囲の誰もが健康だと思っていました。