宇宙望遠鏡が捉えた 超高速の恒星間天体
レモン彗星が話題ですが、宇宙の彼方から飛来した謎の天体が、現在、私たちの太陽系を通過しています。「3I/ATLAS」と名付けられたこの天体は、恒星間天体と呼ばれています。
彗星や惑星は、特定の恒星(一番身近なのは太陽です)の周りを回っていますが、恒星間天体は違います。

恒星間天体は、どの恒星の重力にもしばられず、宇宙を回る天体で、私たち太陽系の外の惑星系で形成されたと考えられています。「3I/ATLAS」は、観測史上3番目となる「太陽系外からの訪問者」です。
太陽系の惑星、衛星、小惑星、彗星、生命体は、すべて共通の起源を持っています。しかし、恒星間天体は、“太陽系外からの訪問者”です。
私たちの太陽系のはるか遠くにある宇宙の形成に関する手がかりを運んでいるとみられ、科学者たちの注目を集めています。
太陽系外から…観測史上3つ目
「3I/ATLAS」は、2025年7月1日、南米・チリにあるATLAS(アトラス、小惑星地球衝突最終警報システム)の望遠鏡によって初めて発見されました。名前の「I」は「恒星間」(Interstellar=インターステラー)を意味し、「3」は同種の天体として3番目であることを意味しています。

これまでに確認された恒星間天体としては、2017年に発見された「1I/オウムアウア」と2019年の「2I/ボリソフ」があります。