このような住民の声がある中、災害時の避難などに詳しい東京大学大学院の関谷直也教授は、“自然災害と原発事故では避難の時間軸がずれる”と指摘します。

東京大学 大学院 関谷直也教授
「津波からの避難は、浸水の可能性が想定されているエリアから高台に向かって避難をする。これがまず重要で、そこから離れられたら、それ以降で渋滞するのは問題ないはず。原子力災害からの避難というのは、放射性物質が出てくるまで、ある程度の時間は必ずあると考えられているので、あまり一緒に捉えないで時間がずれているということを念頭に置いたほうがいいと思う」

柏崎市は、仮に自然災害からの一時避難をしたあとに原発での事故が起きた場合、避難先にバスを手配するなどの代替手段を想定しているとしています。

ただ、柏崎刈羽原発から5キロ圏内にある宮川集落で町内会長を務める吉田隆介さんは、事故時に本当にバスが来るのか…不安視しています。

宮川町内会 吉田隆介町内会長
「果たしてバスが来てくれるのか。(運転手が)命をかけてここまで来てくれるか、非常に疑問」