酒はあまり飲まず、タバコも吸わない、口の中は清潔。そんな若年層に「舌がん」が増えています。原因の一つとして指摘されているのが、現代人特有の「狭く小さな歯並び」。単なる口内炎だと思って放置していたら、実は「がん」だったというケースも少なくありません。舌がんになりやすい人の特徴と、正しい予防策を歯科医師に聞きました。

舌がん含む口腔がん 50年で10倍に

口腔がん全体の半数以上を占めているとされる「舌がん」。

国立がん研究センターによりますと、2021年に全国で、舌がんを含む口腔がんと診断されたのは2万2781例。50年前の1975年(2100人)と比べると約10倍に増加しました。

かみ合わせと全身の関係などを研究する安藤歯科クリニックの安藤正之院長は、がんの外的要因として「酒やタバコによる化学的刺激」と「歯の尖りなどによる物理的刺激」の2つの持続的な刺激を挙げます。

安藤歯科クリニック 安藤正之院長
「私が学生だった30数年前、『口の中のがん』というと『中年以降の男性の病気』というイメージがありました。患者さんの多くは、時代的にお酒とたばこを日常的にたしなみ、今よりも歯の衛生に関する知識も不十分で、口中が不潔なためにかかってしまうというケースです」

しかし近年は、酒やタバコの習慣がなく、口の中も清潔な「若年層」で舌がんが増加。実際に、舌がんを含む口腔がんの若年層の患者が占める割合は、この20年間で2倍になったという報告もあります。(1997年8.0%→2016年15・8%)