復旧費用は約86億円との試算も JR米坂線

一方で、いまだ先が見通せないのはJR米坂線です。
新潟県村上市と山形県米沢市を結ぶ米坂線は2022年8月の豪雨で被災し、一部で再開のめどが立っていません。

2022年8月の豪雨で被災した米坂線

JR東日本新潟支社は、復旧費用はおよそ86億円という試算を発表。
赤字路線の米坂線について、地元住民からは「廃線」を懸念する声が上がっていましたが、復旧を検討する会議が9月に初めて開かれました。

JR東日本は「復旧に向けて全力で検討したい」としたものの、2つの課題を提示。
一つ目は、復旧費用86億円の負担についてです。従来の災害復旧補助を適用した場合だと、JR東日本が43億円、国と地方がそれぞれ21億5000万円を負担。新潟県は、7億7500万円の負担となります。

もう一つの課題は、仮に復旧したとしても安定的な経営ができるかという点です。

新潟県交通政策局 太田勇二 局長
「新潟県とすればやはり1日も早く出口が見つかるように話し合いを進めたい」

その後、JR東日本は「課題の解決を図っていかなければ前に進めることは難しい」としていて、復旧の在り方の議論が続きます。

ウイルス禍による利用者減少に、燃料費や人件費高騰の影響が色濃く出た2023年。
2024年も暮らしを支える交通の未来に注目です。