■田舎暮らしは思ったよりも忙しい「楽しい生き方をしていると思う一方、もがいている部分もあります」
ここを拠点に、通り過ぎるだけでなく、泊まるだけでもなく。伊佐に滞在し、体験してもらうのが最大の目標だ。「とっておきの川に案内して遊んでもらう。ここを手掛けた、ものづくりの人たちを訪ねる。伊佐の人とつながってほしいなと思います」。協力隊活動の集大成ともなった宿。「なんとか形になって、ほっとしましたね。田舎暮らしって意外と忙しいんですよ!(笑)」。
宿の庭に積み上げられた薪が、時の集積を示している。「宿も充実させたい。要望の多いカフェも考えたい」けれど、と林さん。頑張りすぎて、宿やカフェをやめてしまったケースも見てきた。「人間らしい生活を送り、生きる力は確実に高まった。会社員時代は恵まれていたと改めて思うこともある。楽しい生き方をしていると思う一方、もがいている部分もあります」。
