「避難して終わり」ではなく、避難の先で「自分の将来をどう思い描くことができるのか」

RCC中国放送 栗栖記者:
戦争体験について、彼女たちは「自分たちにできることは伝えることだから」と前向きにいつも質問に答えようとしてくれました。ただ、いざ質問を始めると姉のファジリャさんが、すぐに涙が出てしまうこともあって「心を傷つけてしまうんじゃないかな」と私達もなかなか深く話を聞くことができない状況がありました。

お母さんのエディエさんから、その後に家族が経験した本当に細かい戦争の話を聞くまで、私達は姉妹が抱える心の傷に、なかなか気づくことができませんでした。

山本キャスター:
戦争体験は、そうそう簡単に整理できることではないと思いますし、その戦争は、まだ今も続いてるわけですよね。ウクライナから日本に今避難をしてきている方々が、2000人以上いらっしゃるわけで、受け入れから1年半以上が経っているけれども、まだまだ長期化が懸念されている現実があるわけですよね。「心のケア」「精神面でのサポート」引き続きとても大切になりそうですね。

RCC中国放送 栗栖記者:
前から言われていることですが、特に地方では避難民の心のケアは、今も十分ではないんじゃないかなと感じていて、2人は自分の中でつらい気持ちを抱え込んで、それをいつまでも解消できない状態が続いていたんじゃないかなと感じました。

また将来を選ぶという当たり前の自由が制限された中で、将来をこれからどう切り開いていくのか、その点にすごく苦労しているように感じました。そうした不安とか解決策を相談できる場所が必要だったんじゃないかなと思います。

山本キャスター:
避難して終わりではなく、避難の先で自分の将来をどう思い描くことができるのか。そういった支援もこれから大切だと思いますし、何よりも2人の未来が明るい未来であることを願いたいなと心から思います。