男にそこまでなりたいわけじゃなかったと気づいた

高校卒業後、日本代表に選ばれるなど女子サッカー界で活躍してきた齊藤選手ですが、男性として生きていこうと決断し、2019年に一度引退。

名前を「あかね」から「夕眞」に改名し、男性ホルモンの投与を受けるなどしました。

(齊藤夕眞さん)「お金払って(副作用で)体調わるくなって、『なりたい自分でなんだっけ?』と見失った時点で自分で男にそこまでなりたいわけじゃなかったと気づいた」


その後、再び大好きなサッカーをしたいという思いが強くなり、「自分を受け入れてもらえるのか」と不安が募る中、出会ったのがヴィアマテラスでした。

(永野桃子 選手)「偏見とかそういうのも周りもないし、うーさんはうーさんって感じ、びっくりしなかったよね。
(嘉数飛鳥 選手)「チームメートも受け入れているというかあまり気にしてない。悪い意味でもなく別に気にしてもなくて、あとは新富(ヴィアマテラスの本拠地の町)の人も気にしてなくて受け入れてくれているのでいいんじゃない?」

オープンでいいんだと思えたのは理解があったから

1年半前にヴィアマテラスに入団してから齊藤選手は性的マイノリティーを公表しました。

(齊藤夕眞さん)「受け入れてもらったことで自分の中で何かが変わった、女子サッカー選手の齊藤を演じておかないというのが、もうひとつの本当の自分は隠してというか…いたので、そこを隠さなくてもいいんだ、オープンでいいんだと思えたのは理解があったから」


いまではチームで「性の多様性」を啓発する活動にも取り組んでいます。

(齊藤夕眞さん)「台本作りをやっている」

齊藤さんが伝えたいメッセージを書き留めたノート。


講演会の準備です。

(齊藤夕眞さん)「男の子はピンクは好きじゃない、おかしい男の子は髪の毛が短くてズボンをはいてるそういう自分は男でしょうか?女でしょうか?という質問もしようと思う」


(倉谷也海選手)Q齊藤さんの姿は?
「自分を出すのは難しいと思うが、そういうのができるのはすごいと思う」
(齊藤夕眞さん)「たまにはいいこというじゃねーかよ」

自分の気持ちと向き合い堂々と前を向くことを決めた齊藤夕眞選手。

これからも自分らしい生き方を発信し続けます。

(齊藤夕眞 選手)「しゃべったことをどう感じるかはその子たちの自由なので、それを受け入れようが受け入れないかも、すべてがその子たちの選択肢だと思う。それが伝わってくれたらと思う」


スタジオ

(川野武文キャスター)
皆さんは夫婦で自分の子どもが、もしLGBTQ+に関して告白してきたらということを話し合ったことがあるでしょうか?

ウチでは夫婦で話し合ったことがあって、それでも人を愛して幸せになるのならばいいんじゃないか、今の世の中だったらきっと生きづらいはずだから、まずは家族が味方になるべきだね、と話し合ったのを思い出しました。

(加藤沙知キャスター)
齋藤選手も取材中に「自分が好きなものを誇りに思って、相手が選んだものを素敵だね、と分かち合えるようになってくれるといいな」と話してくださいました。