イブニングニュースでは、語ることのできる人が少なくなっている戦争証言をお伝えしています。
今回は、戦争末期に兵士として満州にわたった100歳の男性です。当然の徴兵、生死を分けた出会い。わずか二十歳だった男性は、戦地で何を感じたのでしょうか。
「アメリカの潜水艦にいつやられるか」終戦間際、衛生兵として満州へ
(松田郁夫さん・100)
「手が片っぽなくなったとか、足の下のほうがなくなったとか、そんな人もおったんです」

岡山県赤磐市に住む松田郁夫さん。2月に100歳を迎えました。
脳裏に残るのは、遠く離れた満州。奉天にあった陸軍病院です。兵役義務のため「衛生兵」として軍に入ることを命じられたのは戦争末期。19歳の時でした。

(松田郁夫さん・100)
「『お前らの行くところは満州だ』と聞かされてびっくりした。戦争の末期ですから、アメリカの潜水艦でいつやられるかわからないから、夜は船を動かさない。夜が明けてから朝鮮に渡って」

敗色濃厚となるなか、戦地に赴いた松田さん。前線からは毎日のように重傷を負った兵士が運ばれてきたと言います。
(松田郁夫さん・100)
「だんだん負け戦になってきたと思った。思ったけど、僕ら病院にいる兵隊じゃ状況は分からない」
