学校に行かせるべき?客観的な基準で判断するアプリも登場

「学校を休ませるべきか否か…」そんな親の悩みを解消するアプリサービスが2023年8月に登場した。

不登校支援団体と精神科医が基準を作成し、LINEで無料でチェックできる『学校休んだほうがいいよチェックリスト』というもので、子どもの状態について、親はイエス・ノーで回答していく。すると『休ませましょう』など結果とアドバイスが出る。

石井さんは主たる作成者として開発に携わってきた。学校を休む判断に客観的な基準が必要だと感じた背景には、ある危機感があるという。

「本当は休ませた方がいいのに、親は愛情から子どもの未来を思い、学校に行かせようとしてしまうことがあります。そうすると、子どもは学校へ行くことを頑張ろうとします。

私は、不登校よりも、休みが必要なのに休まずに行く『過剰適応』という状態が一番危ないと思っています。過剰適応を起こした子どもは『自分を殺しながら学校へ通う』など、自分を強く抑え込もうとします。

その結果、心理的に無理がたたり、うつ病や自殺未遂などのリスクへと発展しかねません。『過剰適応』しないように、もうここは休むべきなんだっていうことを伝えるために、チェックリストを作りました」

ーー不登校に直面した時、子どものためと思ってしていることが、実は子どもを追い詰めてしまっていることがあるんですね…。親は親で、追い詰められている可能性もありますね。

「ですので、親が子どもから離れる時間を持つこともとても大事です。ずっと子どもを見続けていたら、不安でしょうがなくて、親が過集中になりかねません。時に子どもから離れて、紅茶をゆっくり飲むなど、自分の好きな時間、自分の趣味の時間を取ってもらいたいと思います。

不登校によって追い詰められない親はいません。親自身が追い詰められたままだと、子どもに無言の圧をかけてしまうのです。親自身へのケアも必要なんだと知ってほしいです」

(8月27日配信『SHARE』より)
※1 日本財団『不登校傾向にある子どもの実態調査』(2018)