「その場でカネで解決」?
当時のルポを見て驚くのは事故の「カジュアルぶり」です。
あまりの交通事故の多さに「トラックやダンプが畑に突っ込む程度の事故はカネで解決」という様子が普通に映り、当たり前のようにまかり通っていたことです。

もちろん警察もこうしたことをただ見ていただけではなく、数々の取締りを行いますが、番組内では「違反と事故と取締りのいたちごっこだった」と嘆かれています。
子供たちを守れ
もちろん、この状態を放っておいていいわけはありません。
一番の被害者は、歩行者、なかでも子供たちでした。クルマがギリギリを通る中、幼稚園児や小学生の死亡事故が相次ぎました。

暴走ドライバーも悪いが、あまりにインフラや法が整っていない結果ではないか、というのが当時の世論の一致した意見だったといいます。なかでも子供たちが犠牲になる事故の頻発に、ついに数々の対策がとられるようになりました。
昭和45年(1970年)前後の法改正により、全国の交通警察官が9000人も増員され、いっせいに取締りにあたりました。
