取材をする筆者。
【編集後記】
帰還困難区域には、これまで何度も取材に入りましたが、今回はとても苦しい取材で、戻ってからしばらく会社の机で茫然としていました。赤宇木は、震災前の人口が230人ほどのとても小さな集落です。阿武隈高地沿いの他の集落と同様に、住民どうしが協力し合って暮らしを立ててきました。それは、和かな山村のコミュニティであったのも確かですが「そうしなければ生活ができない」という、実際的なものであったとも思います。そういう背景がある赤宇木をはじめとした旧津島村で、避難指示が<解除されるところ/されないところ>、あるいは<除染・解体されるところ/されないところ>ができていくのは、住民にとっては耐えられないように思います。自宅の解体を「幸運」と言った邦彦さん。その意味を、いまも考え続けています。(TUF報道部・木田修作)