住民説明会での議論は紛糾
住民の不満が高まる中、京都府は今年3月に住民説明会を開催。議論は紛糾しました。
【住民説明会の様子】
(参加者)「近隣にアリーナを作るとか、なんで今の素晴らしいものをそのまま守らないんだろうって。計画を決めるときには民間の人たちの思いがちゃんと反映されるんでしょうか?」
(府の担当者)「木1本切らんと作り変えというのはまず無理だと思っております」
(参加者)「計画を決定する委員はきちんと決められているんですか?」
(府の担当者)「植物園の整備は本当に論点が多岐にわたっておりますから。公園的機能、博物館的機能、そういったウイングを広げていくという…」
(参加者)「ちゃんと質問に答えてください!」
(参加者)「官僚答弁や!」
(参加者)「それはお聞きしました!もう」
(司会)「ご静粛にお願いいたします」
(参加者)「官僚答弁や!」
参加者から次々と反対の意見が。毎週のように植物園を訪れている鰺坂さんも黙っていません。
(鰺坂さん)「ここから見える景観、涙が出ますね。本当に涙が出ます。そのすぐ右側に高さ20m・長さ100mを超えるような施設ができる。これがアリーナです。日が当たらなかったら植物が育たないでしょう、ほとんどの植物が。計算されたんでしょうか?園長先生!大丈夫ですか?理学博士だと聞いています。そういう意味でね、心配なんですよ」
(植物園の園長)「植物園からどれだけの距離のところにどういう高さでどういう規模のものがどんな向きでできるのか、今はわからないので」
(鰺坂さん)「そんなことないですよ。ちゃんとKPMG(コンサル会社)が報告出しているでしょ。あなた責任者なんですから!」
(司会)「ご静粛にお願いいたします」
(参加者)「ちゃんと検討してみてくださいよ」
(植物園の園長)「それができたときに…」
(鰺坂さん)「できたら終わりやないか」
終了時刻を迎えて説明会は打ち切られましたが、最後まで住民たちの不満はおさまりませんでした。
京都府「計画はあくまでもイメージ図で検討段階」
(鰺坂学さん)
「みんな心配したように、植物園の周り全体のことも考えてみると、非常に不安がまだ残る。もう少し具体的な改善案を出していただきたかったと思っています」
一方で京都府は取材に対して「計画はあくまでもイメージ図に過ぎず、植物園への影響や意見への配慮も含め検討段階だ」と話しました。長年愛されてきた植物園の危機。本来、植物園が体現するべき多様性を残すためにも、府と住民が互いの意見に耳を傾けるべきではないでしょうか。